ネタバレ

「ブレードランナー」に心酔し、影響された作品を浴びるように見て育ったので思い入れのある作品なのですが、よくある続編ガッカリ映画になる事無く1作目ファンには満足のいく内容だっと思いました。世界観は損なわれず、かといって古臭いわけでもない。デッカードはそのままデッカードでその後の世界はちゃんと歴史を感じる進み方をしてる。主役は多分観客が見たがっていたレプリカント側。

この順番に見ておくことをオススメします。
 ブレードランナー1作目
ブレードランナー ブラックアウト 2022
2036:ネクサス・ドーン
2048:ノーウェア・トゥ・ラン
下三作はネット公開された15分ほどの短編で1から2の間を埋める予備知識的なもの
見なくても大丈夫ではあるけど、見ておけば本編をより楽しめます。
1作目は何度も見てるから、特に見返すことなく行ったけどデッカードのその後の話メインなので見ておいた方がより感情移入できるかも。


最初のほう絶賛しましたが、テンポ良く展開していく作品の多い中で今作は「淡々と長い」
主役がレプリカントで感情の起伏を表情や身体で表現することがないので、
彼の日常、生活環境が暗く物悲しく延々と映されます。
その中で多くの謎やキーワードが散りばめられてるのですが
前半長い!もうちょっと短くしてほしかった。
しかし後半の畳み掛けるように謎が判明していくあたりは気持ちよく感じます。

Kは感情の揺れは目でしか表現されてないけど、Kの彼女として出てくるホログラムAIの女性ジョイが悩んでるKに色々と話しかけます。それは記憶の整理の助けだったり、アドバイスだったり。それを見てKが悩み怯え苦しんでるのがわかります。
レプリカントがホログラムを恋人にしてるのは自分に似てるせいか、ジョイはKを愛して実体を欲しがりKもジョイを愛してる。プログラムでしかないのにそう思えないジョイの存在は切なくて胸が苦しい。

ウォレスはレプリカントを天使と呼ぶけど繁殖と繁栄を視野に入れてるのなら作りたいのはレプリカントではなく新人類なんだろうな・・・彼は目的の為には手段を選ばないし、それに屈さないデッカードはカッコ良かった。

追いかけてるレプリカントの子供は自分ではないか?と思い始めるK
デッカードに会い、ラブに追われ、ジョイを殺された上にレプリカント解放軍に自分の人生がレイチェルの子を逃すためのダミーとして利用されていたのを知り
「自分を主役と思いたかった?みなそう思うのよ」というセリフに絶望のドン底に落ちるけど「大儀の為に死ぬのは人間らしい」と思いなおす
過去の記憶は植えつけられたものだけど、ジョイとの生活の記憶は自分のもので、魂が無くても彼も彼女も「生きてた」し名前だって持ってる。

自分が大事に持っていたのはユニコーンではなく木彫りの馬だけど、、、

作品はKがデッカードを救出して彼を娘に会わせるところで終わってる。
その後レプリカント解放軍はどうなったのか、ウォレスは、娘は、肝心なところが無いんだけど
主人公じゃなかったKが主人公の話なので、雪が積もる中階段に座って空を見上げKの命の炎が消えかかるところで終わり。美しい。
ラストすき。

ブレードランナー1作目のラストが広い想像の余地のある作品だったので、レイチェルとデッカードのその後を見るのは勇気が入りましたが、よかった。
そしてこの作品、完全に1作目ファン向け作だった。
新規のファンが入り辛い内容で、でも長くファンだった人の多くの人は満足度高いのでは・・・

上に書いた作品見てからなら楽しめると思うので、新規の人も機会があれば。

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