観に行ったのはちょっと前ですが、
前から気にはなってたけど行くタイミングが無くどうしようかと思ってた所
インタビューで監督が企画書にデビッドボウイの写真が添えてあった(イメージで)と聞いて、よっしゃ!と観に行きました。
ミュージカルなら音響のいい映画館の方が断然いいし。

圧巻の絵、画、情報量密度の高い画面。
とにかく上手い絵と動き
美しい色彩と音
ただただ圧倒されました。
室町の人々の暮らし、行事がひたすら映されるシーンも好きです。
絵巻物の世界に入ったよう。
衣装や小物も細かく描写されててあちこち目が移動するので忙しかった。

友魚(名前が3個あるからこれで呼んでいいのか?)は事故で視力を失うんだけど
目の見えない人の表現が良かった、目の見えない人の感覚を視覚で理解するっていうのも変な感じかもしれませんが・・・アニメだから表現できるものの一つって感じで。
何か分からない物が手で触れた途端「わかる」瞬間とか、気持ちいい。

ミュージカルシーンは見るドラッグだった。
力強い歌声と少し聞き覚えある(と言っていいのか)音楽と共に、画面を縦横無尽に飛ぶ走る踊る。見ててめちゃくちゃ気持ちいい!
舞台セットも凄い凝ってるけど一座の舞台セット担当すごいね、技術もだけど同窓的で。
あと目の見えない友魚の衣装と化粧がどんどんビジュアルバンド化していくからスタイリストなどもいて一座の規模が凄く大きかったのかな。
犬王の動きは異形の時の方が変で面白かったな。人の身体になってからは美しい。
お偉いさんの前で面を外した時に顔が醜ければ殺すってルールで、犬王が顔を取り戻したときどんなビジュアルになるんだろう?ってドキドキからのそうきたか~!美形でもないし普通でもない、良い。

友魚は先祖に「一族の恨みを晴らせ」と命じられ旅してたのに、犬王と出会ってからそれを忘れて楽しく猿楽をしてたが、政治がらみで芸事を禁止されてからの恨み復活、絶望の中での死は悲しすぎる…芸を極めても権力の前では無力なのツライ。
でも魂を救うのは結局は音楽なのかな、死後600年友魚を探し続けた犬王に出会った瞬間の幸せそうな友魚、楽しそうな二人に視聴後の爽やかさが凄いです。
悲しい話でもあるのに。
犬王が強烈な人生歩んでるのに誰も恨んでなくて前向きに生きてるせいかな。
この性質の違いが二人の人生分けちゃったけど、だからこそ惹かれあうものがあったんだろうな~。


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